『クィア・セクソロジー:性の思いこみを解きほぐす』出版記念パーティに行ってきました。
クィア・セクソロジー―性の思いこみを解きほぐす (2008/10) 中村 美亜 |
勉強会にて何度かお見かけしたことのある
中村美亜さんの出版記念パーティが
行われるということで
直接の知り合いではないのですが、
お邪魔してきました。
というのも、ただいま執筆中の
熊谷の次回作を
この本の内容が補強してくれるところが
かなりあったからです。
あと、パーティの内容が面白そうだったから♪
発言者には
米国で同性愛者と家族の抱える問題に
携わって来られた鍛冶良美さん、
文化人類学者/ゲイ・アクティビストの
砂川秀樹さん、
ピンク映画監督の浜野佐知さん、
社会学者で「日本の童貞」著者の
澁谷知美さん、
日本の童貞 (文春新書) (2003/05) 渋谷 知美 |
公称無職のよろず屋の岡井友穂さん、
本のイラストを描いた渭東節江さん、
NABA共同代表の鶴田桃工さん、
ラブピースクラブの北原みのりさん、
パフォーマーで“トランスジェンダー的がん闘病エッセイ”
「ぽっかり穴のあいた胸で考えた」著者の高橋フミコさん、
ぽっかり穴のあいた胸で考えた (2006/02/25) 高橋 フミコ |
と、
セックス、セクシュアリティ、ジェンダーについて
濃い話が聞けそうな予感。
東京藝術大学上野キャンパス
美術学部内の大浦食堂で行われました。
新しい雑誌や情報をいくつかゲット。
中村美亜さんが音楽系の方だけあって、
参加者には
「言葉以前のあふれる感覚」
を大事にされている芸術家肌の方々も多く、
繊細な雰囲気が漂っていました。
拙書でも書いた
「あふれる感覚を絞り込めない自分」
と通ずるところが
あるなあと思いました。
質問・感想コーナーでは
セックスワーカー(SM女王)からの
貴重な意見が述べられるシーンあり、
「女も主導権握ってセックスしよう!」
「セックス拒食症なので経験したくありません」
という両極の主張あり、
奥深さのあるさまざまな意見を聞くことができた
有意義なパーティでした。
この「クィア・セクソロジー」は
「性欲は本能」だとか
「同性愛は異常」だとか
そういったいわゆる常識とされるものは思いこみですよ、
とわかりやすく教えてくれる本です。
第2章の冒頭に、
音楽によってオルガズムを得るエピソードが
あり、セックスと音楽は
「自身の身体を
自分以外の力に委ねるという点で一致している。」
という指摘があります。
私は拙書にて
満月の光に“欲情”するエピソードを書きながら、
「こんなことって本当に起きるのかな。
私の思いこみじゃないかな。
こんなこと書いて科学的に大丈夫なのかな。」
と一抹の不安があったのですが、
この一節で補強してもらえた心強さを得ました。
帰りに熊谷の希望で
焼いも購入。
「イモとイチョウと私」。
焼いもを食べていたら後ろから
社会学者の千田有紀さんに
「本、読みましたよ。面白かったです。
大学の図書館にも頼みました。」
とあちらから(!)お声をかけて頂いたこともあり、
おイモもひときわうまい♪
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「発達障害当事者研究
―ゆっくりていねいにつながりたい
(シリーズ ケアをひらく)」
綾屋紗月+熊谷晋一郎 著
出版社:医学書院