川口有美子氏「逝かない身体」が大宅賞受賞!
第41回大宅壮一ノンフィクション賞に
「逝かない身体」川口有美子氏
が決定しました。
川口さんとは昨年12月、
熊谷が対談させていただきました。
・2009年12月19日 対談のブログ記事
・対談の様子が週刊医学界新聞 2010年2月22日号で
紹介されました。
金魚坂という店に関係者で集合して
発表を待機している間は
なんだかやはりみなさん落ち着かない感じ。
【受賞が決まった直後の川口さん】
決定の電話が入った時には
一同歓声と共にどわっと湧きあがりました。
いつかテレビで見たことがあるような光景の中に
自分がいるのが不思議な感じでした。
ALS(筋委縮性側索硬化症)という病において
「必要な時には人工呼吸器をつけて生活していける」
という社会保障が整っていない状況であるにもかかわらず、
「死の自己決定」の名のもとに
「意志伝達ができなくなったら呼吸器をはずしてくれ」
といった念書を書くという形での
尊厳死の法制化が検討されていますが、
実はそれは、
「自己決定の論理によって
社会保障の不備を隠蔽する」
という
排除型社会の常套手段であるだけでなく、
他者(周囲の介助者)決定の尊重による
安楽死になりかねないことを
現在の川口さんは訴えています。
2010年4月4日 川口さんのブログ
この本が多くの人に読まれることで、
世界中で傾きつつある
安易な尊厳死法制化の流れを
踏みとどまらせる力になることを願います。