【お知らせ】第5回バリアフリーシンポジウムのご案内

差し迫ったお知らせですが
バリアフリーシンポジウムのご案内です。
知る人ぞ知る豪華ゲストのコラボレーション!
どんな出会いとなるのか楽しみです。
無料・申込不要ですので
お時間よろしければ
ぜひお気軽にご来場くださいませ。
<以下 ご案内>
2010年9月9日(木)
13時00分~17時00分
第5回バリアフリーシンポジウム:痛みはなくすべきか?
-「回復」を再考する
場所:
東京大学先端科学技術研究センター4号館2階講堂
地図はこちら
主催:
東京大学先端科学技術研究センターバリアフリー分野/メリトクラシー研
シンポジスト:
 本田哲三(輝山会記念病院 総合リハビリテーションセンター総長)
 上岡陽江(ダルク女性ハウス代表)
 熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター特任講師)
 
コメンテイター:
 福島智(東京大学先端科学技術研究センター教授)
 星加良司(東京大学教育学研究科講師)
 
司会:
 飯野由里子(東京大学先端科学技術研究センター特任助教)
 
事前登録:不要
参加費等:無料
情報保障:手話通訳・パソコン要約筆記
自分にとって大切なものが失われたり傷ついたりしたと感じたとき、
また社会生活を送っていくに当たって深刻な問題状況に直面したとき、
私たちはそこからの「回復」を願うものです。
そして私たちの周りにはそうした「回復」を助け、
導くための様々な場が存在しています。
ではこの「回復」とはいったいどのようなことなのでしょうか?
問題が起こる以前の状態に戻ることなのでしょうか?
あるいは「普通」の社会生活に復帰することなのでしょうか?
この問いへの回答は、
「回復」が求められている場によって様々ですが、
少なくともそこには何らかのネガティヴな状態があり、
その解消や緩和が希求されるという共通項があるといえます。
ここで問題となるのは、その「ネガティヴな状態」とは誰が、
どのようにして決めるものなのか、
ということです。
もちろん第一義的には問題に直面している本人が決めることだといえるでしょう。
では、本人が表明する主観的な判断に基づいて「回復」をめざせばよい、
ということで十分でしょうか?
そこに専門知や社会規範はどのように関わっているのでしょうか?
たとえば、かつてリハビリテーションの世界では、
障害を負った身体がそれ自体で「ネガティヴな状態」とされ、
少しでも「普通」の状態に近づくことが回復なのだとみなされていました。
しかしその後、主に身体障害者の中から、
回復を強制する医療的な介入を拒み、
そのままの身体で生きられるための社会の変革を求める主張が生まれました。
その一方で、
加齢に伴ってこれまでの「そのままの身体」による暮らしが継続できなくなるという事態や、
進行性の病気を併発する人々の問題を視野におさめたとき、
「回復ではなく社会変革を」という考え方の限界も見えてきます。
これらは一見、社会の問題だけには帰責できない個人的な「痛み」の問題のように思えますが、
では、「障害」に対しては社会変革が必要だが、
「痛み」にはやはり回復が必要だ、という言い方は適切なのでしょうか?
本シンポジウムでは、
慢性疼痛に対する認知行動療法の第一人者である本田哲三氏、
依存症回復者のセルフヘルプグループに長年携わってこられた上岡陽江氏、
脳性まひの当事者であるとともに臨床医でもある自身の経験を通じて
「回復」についての思索を続けている熊谷晋一郎氏をシンポジストに迎え、
「痛み」という「ネガティヴな感覚」に着目しながら、
こうした課題について考えていきたいと思います。
痛みについての近年の研究成果は、
痛みという一見個人的な体験が、
いかに心理・社会的な要因と深くかかわり合っているかについて、
多くのことを教えてくれます。
また、依存症回復者の世界では、
痛みや回復についての独自の経験知が蓄積されており、
痛みを安易に「個人的なもの」「取り除くべきもの」
とみなすことの怖さを教えてくれます。
さらに、身体障害者にとって
「なくす」ものと「受け容れる」ものをいかに切り分けるのかという論点は、
古くて新しい課題として問われ続けています。
すぐれて肉体的であると同時に社会的でもある「痛み」の性質を踏まえたとき、
「痛みの除去」と「回復」との間の複雑な関係が見えてくるはずです。
多彩なシンポジストとともに、この問題について考えてみませんか?
【お問合せ】
バリアフリー分野  田中みわ子
電子メール:mtanaka@bfp.rcast.u-tokyo.ac.jp
電話:03-5452-5491
ファクス:03-5452-5062
☆その他何か個別にご要望等がありましたらご相談下さい。
ただし、こちらでは対応できないこともございますので、
その点は予めご了承下さい。