第25回「国際障害者年」連続シンポジウム に参加 【於:京都テルサ】

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2011年3月19日、
京都テルサにて開催された
“第25回「国際障害者年」連続シンポジウム
  「当事者」って何だろう!
   苦悶する障害者たち”
に熊谷が参加しました。
今回の主催側からの問題提起は
以下のようなものでした。
(チラシより転載)
“私たち障害者は、その存在すら許されない時代があり、
 無視され、勝手に決められてしまっていました。
 私たちの存在を認めさせるために
 「当事者の声を聴け」と叫び、要求してきたのです。
 その結果、私たちの声に耳を傾ける人が多く生まれました。
 一方で、「当事者」という言葉に甘え、
 「当事者」であることにあぐらをかいて
 しまっていたこともあります。
 「当事者」という言葉が浸透しつつある今、
 その当事者であることに違和感を持つ人たちがいます。
 また、当事者という枠組みに新たに入り込まされ、
 日々の生活の中でいらだちや、
 悶々とした何かを抱えている人たちがいます。
 そして、当事者性を問い直し、
 他者とのつながりや、関係性の中で、
 何かを見つけ出そうとしている人がいます。
 発展、進化、変化しつつある「当事者性」について、
 今、なにが、必要なのか考えていきたいです。 ”
これに対して熊谷は
「手足からの異議申立~痛みと自由について」
というタイトルで基調講演をしました。
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後半にはシンポジウムが行われました。
【問題提起】
矢吹文敏氏(日本自立生活センター ピアカウンセラー)
(写真一番左)
【シンポジスト】
野崎泰伸氏(大阪府立大学非常勤講師・倫理学)
(写真左から2番目)
杉江眞人氏
(全身が動かなくなっていくALS発症。
 24時間介護者を入れ独居生活を送る)
(シンポジウムにはDVD映像にて参加)
西田美紀氏
(看護師、立命館大学大学院在籍。
 ALS患者の在宅支援に携わる)
(写真一番右)
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【司会】
渡邉琢氏(著書『介助者たちは、どう生きていくのか』)
(写真左)
あべやすし氏(著書『識字の社会言語学』)
(写真右)
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熊谷の全体的な主張としては
まず
当事者主権や自己決定論が陥りがちな
「意志が手足を統治する」
という二元論を再考し、
自分の手足を操るときも、
介助者を身体化し、手足の代わりとするときも、
完璧に自分で全てを決めなければならないとしたら
際限なく細分化されていく自己決定だらけになってしまい、
まったく自由を感じられないことを述べました。
また、一見、
自己決定が苦手に見える発達障害者のなかには
自分の手足が自動的に決めてくれないために
過剰な自己決定で立ちすくんでいる人もいることや、
日々進行する病気や衰え、
そして脳性まひの二次障害などにおいては、
信頼できるボディイメージや
世界のイメージを作り出すことができず、
あたふたとたちまわっては痛みを感じるばかりで
自己決定がかなわないことなどを
例としてあげながら、
自己決定や当事者主権という主張では
とりこぼしてしまってきた人たちの
新たな当事者性について
目を向けていくことの重要性について
語りました。
以下のtogetterではシンポジウムの実況中継を
まとめて下さっています。
http://togetter.com/li/113541
ほかにもツイッターで数多くの反響をいただきました。
激論も有ってとても盛り上がり、
好評だったようです。
ありがとうございました。