初!新宿二丁目 【Fushimi’s mf】

昨日は偶然
熊谷の水曜日の仕事の都合がつき、
精神看護の鼎談でお話させていただいた
伏見憲明氏のバー『Fushimi’s mf』を
ようやく訪ねることができました。

精神看護2009年1月号ミニ
■対談
『発達障害当事者研究』を読んで
伏見 憲明 vs. 綾屋 紗月・熊谷 晋一郎

バーの様子は
常に伏見氏のブログで情報収集しているものの、
「社交下手な自分たちが、
 全然、場違いだったらどうしよう。」
「熊谷を階段で抱えて運ぶのに
 抵抗があると感じる人たちだったら
 申し訳ないよね。」
など、いろいろな不安が立ち上がる。
「無理だとわかったら
 シュパッといさぎよく撤退しよう」
と合議の上、いざ新宿二丁目へ。
昼の閑散としたこの街には
自転車で迷い込んだことがあるが、
夜の顔を見るのは初めて。
浮かび上がる店や看板の明かりが
いかにもなゲイカルチャーを醸し出していて、
パラレルワールドに迷い込んだ気分。
ドアを叩いて顔を出したら
伏見さんは一瞬ののちに私のことを
思い出して下さって、
そのあと若い男性たちと三人がかりで
熊谷を階段上まで運んでくださいました。
入った瞬間、アットホームな雰囲気に
「あ、大丈夫かも・・・」
と、私たちの緊張が解けました。
新年一発目だからか不況の影響なのか
人が少ないとのことでしたが、
それがかえって私たちには助かりました。
hushimi's bar
Fushimi’s mfにて。
熊谷withゲイ雑誌「Badi(バディ)」のポスター。

Badi (バディ) 2009年 02月号 [雑誌] Badi (バディ) 2009年 02月号 [雑誌]
(2008/12/20)
不明

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鼎談で「キャンピー感覚」の
レクチャーを受けたからか、
もしくは
初心者向けに手加減してくださったからか、
伏見さんをはじめ、
入れかわり立ちかわり
いらっしゃるお客さんたちとの会話は
とても楽しかったです。
自閉症児と関わるボランティアに
参加したことがある方とか、
アスペルガー症候群が気になって
調べたことがあるという方が
意外とたくさんいらして、
自分達の自己紹介をするたびに
手製の著書のチラシを配りました。
こんなに有意義にチラシを配る機会を得たのは
初めてです。
(遅いよ・・・汗)
編集者の方、作家さん、政治アクティビストの方。
いろいろな方の世界のお話を伺えて
興味深かったです。
特に後半、
「ゲイだけでなくノンケの男性も
 『とりこ』にしてしまう」
という
とても繊細かつ完璧な“オネエさま”
(という表現があっているのかは自信がないのですが)
がいらしてからは、
がぜんトークが面白くなっていき、
確かにノンケの男性である熊谷も
すっかりそのオネエさまの魅力にヤラレていました。
また、
新宿二丁目にある
コミュニティセンターakta(アクタ)の方から
HIVや依存症に関する
啓蒙パンフレットをいただきました。
「こういうのを学校での性教育教材に使ったいい!」
と思わされるくらい、
わかりやすい写真や
等身大の言葉を用いて作られていて、
素敵なパンフレットだと思いました。
頭ごなしに
「こんなことをしてはいけません。」
とセイファーセックスや依存症の知識を
押し付けるのではなく、
セクシャルマイノリティのおかれる
「孤独感」「はぐれ感」「やさぐれ感」を
受け止めた上での啓蒙、
というスタンスが心に響きました。
いただいたパンフレットの中には
ゲイ×デフ向けの
「ろう者のためのHIV入門」
というものもありました。
gay×deaf
ろう者のゲイには
セイファーセックスに関する情報が少ないことを
懸念して作られた冊子だそうです。
“ろう者の世界はコミュニティが狭いから
 噂が広まるのが怖くて
 HIVの診察を受ける際に
 手話通訳の派遣を頼むことができなかった”
という内容の一節がずきんときました。
トークが楽しいだけでなく
新しい情報や刺激が多くてとても勉強になりました。
マジョリティにのれない経験からくる繊細さや孤独感を
それぞれが持ちながらも
それを大いなる笑いに変えながらつながっていく。
そこににじみ出るあったかさが
居心地のいいエフメゾでした。
結局10:30PMから2:00AMまで居座って、
帰りは車いすに二人乗りして新宿の街を爆走。
30分くらいで帰宅しました。
ぜひまた遊びにうかがいたいです。
(「なんだよ~ぬけがけしやがったな~」
 という皆さま、ごめんなさい。
 様子がわかったから、今度は一緒に行きましょう!)
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発達障害当事者研究
「発達障害当事者研究
―ゆっくりていねいにつながりたい
(シリーズ ケアをひらく)

綾屋紗月+熊谷晋一郎 著
出版社:医学書院

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