イベント「ストップ! 薬物汚染」に行ってきました【東京・渋谷】

こわれ者の祭典代表・アルコール依存症当事者でいらっしゃる
月乃光司さん主催イベント、
「ストップ!薬物汚染 」に行ってきました。
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月乃光司さん(右)と一緒に
月乃さんは先日、ご自身のブログにて
拙著「前略、離婚を決めました」への
ありがたい感想を書いて下さっていて、
それ以来、
私たちもいつかお会いしてみたいなと思っていたところ、
今日はイベントがあるという話を聞き、
しかも既に何度かご一緒させていただいている
ダルク女性ハウス代表の上岡晴江さんもゲストだということで
ぐっとハードルが下がり、
のこのこドキドキ渋谷へ向かいました。
みなさんのトークは面白いし、
いろいろとパフォーマンスは充実してるし、
想像以上に明るく楽しい空間で、
あっという間に2時間半が過ぎてしまいました。
2時間半という長い時間を
聴衆を飽きさせず、
テンポよく進められるってすごい!!
また、このイベントが
インターネットラジオで生放送されているというのも
私には初体験で興味深かったです。
私にとって音だけが流れるラジオの向こう側は
いつも真っ暗な闇のイメージなので、
演者も聴衆も現実に存在しているものが配信されるという
現場に立ち会えたのが新鮮でした。
こちらでオンデマンド放送
(という表現で正確だろうか)
を聴くことができます。
☆上岡晴江さんの語りは面白い上に
弱い人を排除したり、切り捨てたりしないから
いつも安心して身を委ねられる。
あったかくて涙が出る感じです。
上岡さんは
「薬物は精神障害が残るから良くない。
 薬物に手を出す前に、
 苦しさを話せる仲間にたどりついてほしい。
 ここにいるよ、一緒にやってこうよ!」
というメッセージを発信されていますが、
一方で薬物(アルコールも含む)依存に陥る人たちの
追い詰められている現状を熟知しているので、
「とはいえ、
 自殺するくらいなら生き延びてほしいと思うので、
 薬物使用を一概に否定できない。
 それくらいのしんどさが世の中にはある。
 小さいころから暴力や喪失を経験している人の中には
 耐えがたい心の穴が埋まらない上に
 助けにたどりつけない人もいる。
 そんな人には
 10~20代をどんな手を使ってでも
 どんな依存を使ってでも、生き延びてほしい。
 30~40代になれれば、あとはなんとかなるから。」
という、きわどいけれど
その道を歩いてきた方ならではの意見も
ズバリとおっしゃいます。
その発言の奥深さに
自分にはまだ偏見が消えていなかったのだと
痛感させられます。
内谷正文さんの一人芝居
「ADDICTION~今日一日を生きる君」
も圧巻でした。
自分の覚醒剤使用がきっかけで
弟さんが覚醒剤の依存症になった経験を
お芝居にされたものです。
イケメンの内谷さんがいなくなってしまうくらい、
表情をゆがませて
白い悪魔や依存症の弟の役を演じていて
とても迫力がありました。
「どうしても伝えたい」
という強い思いが伝わってくる
渾身の芝居表現を初めて見たと思いました。
田代まさしさんはやはり
マスコミへの影響力があるので、
登場するなり雑誌・新聞記者のシャッター音が
鳴り響きました。
でも後半になって
「今聞いたニュースだと
 森繁久彌が死んだし、市橋容疑者がつかまったし、
 こりゃ、俺らの記事は
 明日の新聞にとりあげてもらえねーや」
と自嘲的に話していて、
それがまた笑いをさそっていました。
月乃光司さんの詩の朗読は
「詩の朗読にはこういう表現もあるのか!」
と思いました。
朗読というより魂が吠える感じ。
ギターとサックスとのセッションです。
トーク中の静かなイメージとは対照的でした。
尾崎豊のくだりが面白かったです。
10日後の「詩のボクシング全国大会」にも
東京大会代表として出場するそうです。
☆司会の松本卓也さんは
ツッコミが軽妙で運びもスムーズなので、
上手だなあと思いながら聞いていました。
ご自身が監督をされた映画の予告編映像が流れましたが、
なかなか面白そうでした。
☆一番のダークホースは飛び入り参加した
ダルク代表の近藤恒夫さん。
「ダルクの代表」という存在に対して私は、
どこから仕入れたのか勝手なイメージで
細身で厳しい人という像を描いていたので、
サンタクロースのような気のいいおじさんが
出てきたので驚きました。
薬物使用者に対しては
刑務所を増やして更生に税金を投じるよりも
予防と社会の中で回復させる仕組みが必要だ、
という話をされていました。
今回の空間には
べてるに行った時や
伏見憲明さんのゲイバーに行った時と同様の、
今に生きるしんどさの底を見た者同士ならではの
「う゛ぁ~わかるわかる~」
というイタかゆい感じがありました。
それは
どっぷりしんどい当事者性と
それを人に伝わるかたちに表現しようとする他者性(客観性)という、
二重性を持って活動している人たちに出会うときに
感じられるものなのだろうなと思います。
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~イベントを終えた会場~
以下、イベント告知文転載
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すべての「生きづらさ」を持つ方々に送る、感動と笑いと涙のメッセージ・ライブ!
薬物汚染をどう防ぐか。
田代まさし氏による体験談、
上岡晴江さんによる薬物依存症についてのレクチャー、
弟が覚醒剤依存症に陥った内谷正文氏による一人芝居「ADDICTION/今日一日を生きる君」の上演、
マスコミ報道では伝わってこない本当の情報の数々。
薬物乱用から透けて見える現代日本の「生きづらさ」とは何か?
アルコール・処方薬依存症・月乃光司による自作詩朗読も有り。
出演
田代まさし氏(元タレント)
http://www.tashiromasashi.com/
上岡晴江さん(薬物依存症施設ダルク女性ハウス代表・薬物依存症回復者)
http://www.yakkaren.com/zenkoku.html
内谷正文氏(俳優・モデル・薬物体験者)
http://www.mtc.mediatti.net/bumibumi1129/
月乃光司(こわれ者の祭典代表・アルコール依存症当事者)
http://sky.geocities.jp/tukino42/
松本卓也(司会・映画監督)
http://matsumoto-movie.hp.infoseek.co.jp/
タダフジカ(ギタリスト)
http://moon.ap.teacup.com/tdcblog/
会場:渋谷アップリンクファクトリー
(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F tel.03-6825-5502)
http://www.uplink.co.jp/factory/
19:00開場 19:30開演(終了予定22:00)
料金:1,800円(ドリンク代別途必要)(予約無し・18:00整理券配布開始)
問い合わせ 070-6666-9940(実行委員会)
インターネット放送局「オールニートニッポン」でイベント放送(生放送・オンデマ
ンド放送)
http://www.allneetnippon.jp/
■薬物依存症相談先■
※薬物依存症リハビリ施設ダルク
http://www.yakkaren.com/zenkoku.html
※全国の精神保健福祉センターや保健所で薬物乱用の相談にのっています。
精神保健福祉センター(全国問い合わせ先)
http://www.pref.nagano.jp/xeisei/withyou/list/list-mhwc_jp.htm
保健所(全国問い合わせ先)
<リンク:http://www2.gunmanet.or.jp/Akagi-kohgen-HP/DR.htm