性自認についての覚書

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 これは商用目的ではなく
 著作権に触れない使いやすい写真として掲載しました。
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ayayasatsuki

トランスジェンダーの方とお話して、
自分のことを改めて振り返った。
私は自分の女性身体には違和感がなかったが、
自意識としては「女」ではない子どもだった。
ニュートラルだったなと思う。
06-08 05:23

小さい頃から女の子らしい格好をすることには
「私なんかがこんな素敵な格好をするのは恐れ多い」
というような
抵抗と憧れが入り混じった気持ちを持っていた。
「女の子だからこれを着るのよ」

と言われる時、
自力では越えられない女装への障壁を
他者が強制することで越え、
女装権を得られたので「ラッキー」と思った。
06-08 05:36

4歳くらいの頃、
私の見た目は
テレビや雑誌の女の子のようには
「かわいくない」
ということを自覚してからは、
理想の女装に届かない自分をさらに恥じた。
プリーツスカート、七五三、
入学式のピンクのワンピース。
せっかくの女装権を生かせず、
申し訳ないと思った。
06-08 05:47

黒ランドセルが欲しかったのは
赤ランドセルより美しいと思ったからだし、
半ズボンを履いたのは
スカートめくりが馬鹿馬鹿しかったからだし、
長ズボンを履いたのは寒かったからで、
男装への欲望からではない。
しかし私に男装権があれば
私の身体はもっと生きやすいのにとは思った。
06-08 06:32

(⇒以前既に書いたが
黒ランドセルの件は
「女の子の中でたった一人黒だった時に不安になって
 『やっぱり赤がいい』って思っても知らないよ」
と親に言われて
そんな先のことは自分でも責任取れないと
仕方なく赤ランドセルに従うことにした。
今の子供たちは好きな色が選べて素敵だと思う。)

私の中には
正しい理想の男装像、女装像が胚胎していたが、
そのどちらにも私の身体は「完璧に」適合しない。

【私にすりこまれた
 理想の男体型と女体型の対比イメージ】
本当はふわふわとやわらかいイメージの女装に憧れるが、
私の顔つきや筋肉質な身体には男装のほうが
合っているように思う。
しかし男装で貫き通すにしては背がとりわけ高いわけでもない。
…現実世界にはちょうどいい服装がないと思った。
仕方なく学校の制服や冠婚葬祭のフォーマルな場などで
身体に規定される形で女装をせざるを得ないときは、
本当は女ではないのに
回りを欺く形で女のフリをしている気分だった。
06-08 06:50

一方で私は外界に対して分からないことが多く不安が強かったため、
「正しく」あることで安定したいという思いが強かった。
女装に関しても
「女のフリをするからには、
 身も心もきっちりお手本どおりになりきりたい」
と思っていた。
学校の制服の場合は
スカート丈や靴下の長さを当時の流行に沿わせるのではなく、
制服に期待される女子高生像を追求し、
制服がもっとも美しく見えるであろう
「清楚で」「知的で」「凛とした」
体型や髪形やキャラであろうとした。
(そんな人はたぶん
 一部の少年マンガの中にしかいないだろうに)

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女になりきろうとするこのような行為は
自分が身も心も「女」ではなく
完璧にはなりきれないからこその
うわべだけの振る舞いであることを
私は自覚していた。
06-08 09:51

でも世の中には
男らしく女らしくなることが
正しい規範だと心から信じている人々がいる。
そのような人々と自分の
立場の違いを言い分ける言葉も観念も知らないまま、
違和感だけを抱えつつ、
私はDVに巻き込まれていった。
06-08 09:58

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おそらく私にあったのは自己身体への違和感ではなく
他者性の強さであろう。
06-08 09:16

他者なる身体の扱い方がわからないので、
私はとりあえず巷の狭い女装規範を与えてみた。
しかし私は他人を見るように
「この子(身体)は女装が似合わないな」
とがっかりした、という感じである。
06-08 09:31

服装以外には
私の性的志向も男女差はなく
ニュートラルだと思っている。
でもこちらの話はモテ軸とも関わってくるらしく、
私はまだうまくそれと絡めて語れないのでやめておく。
06-08 09:40

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現実の世界には理想の服装がなかったと書いたが
アニメの風の谷のナウシカの服装は
ドンピシャだと思っていた。

(↑ドンピシャ
 =ペジテの姫の服が王蟲の血で青く染まった時の服装)
(よりわかりやすく大きい画像をこちらのサイトに発見)
これを真似て
長いワンピース風のセーターにジーンズをはいていたりすると
「みっともないからどっちかにしなさい」
と注意されていた。
大人になるにつれて
女性のファッションはどんどん多様化し、
数年前、チュニックの流行によって私はやっと解放された。
ワンピースとズボン(パンツというとまぎらわしいのでズボン)が
一緒に着られるこのスタイル。


時代が私に追いついた?(笑)。
もしかしたら
社会的合意が変われば生きづらさがなくなるという
ちょっとした一例かもしれない。