「発達障害当事者研究」斉藤環氏より書評をいただきました【医学界新聞】
2009年2月2日付の週刊医学界新聞にて
精神科医の斉藤環氏より
拙書「発達障害当事者研究」の
書評をいただきました。
全文掲載サイトはこちらになります。
「他者とつながりたいけれども侵入されて怖い」
という、綾屋が持つ他者性についての引き裂かれ感を、
サルトルの「他者は地獄だ」という言葉を引きながら、
深く読み込んで下さいました。
また、これまでの書評では指摘されることの少なかった
5章についても、
「ろう文化によるアシストが彼女のコミュニケーションを
助けるくだりは、本書の白眉とも言える部分だ」
とコメントしてくださった上で、
音声と手話の同時通訳が急速な意味理解を
可能にするという事実に
療育上の重要なヒントが示されているのではないか
という感想をいただきました。
綾屋自身、この章には思い入れが強かったので、
嬉しかったです。
また、綾屋のフリーズ現象を、
人工知能研究における「フレーム問題」に
なぞらえて的確に解釈してくださりもしました。
最近、ロボットや人工知能の領域との
接点はないかなあと考えていたところだったので、
驚きました。
丁寧な書評を本当にありがとうございました。
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「発達障害当事者研究
―ゆっくりていねいにつながりたい
(シリーズ ケアをひらく)」
綾屋紗月+熊谷晋一郎 著
出版社:医学書院