「幻聴妄想かるた」絶賛発売中!

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2011年11月、医学書院より『幻聴妄想かるた』が刊行されました。
これはもともと、精神障害をもつ人たちの地域生活を支援している、
東京世田谷にある就労継続支援B型作業所「ハーモニー」が
自主制作、販売していたものです。
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【自主制作版はこんな感じでした】
おすすめポイントその1:
【絵札・読み札】
絵札も読み札も
ハーモニーのメンバーたちの手によるものです。
メンバーたちにお話を伺ったところ、
作業所とはいえ、内職をやっても失敗ばかりで仕事にならず、
追い詰められたところで「えい!」とかるたを作ったとのこと。
読み札のひとつひとつは実はミーティングのテーマで、
みんなの不思議な体験や苦労を
みんなで遊べるものにしてしまおうと考えたそうです。
おすすめポイントその2:
【市原悦子さんの読み札音声】
市原悦子さんの「家政婦は見た!」の
石崎秋子役が大好きだったので、
個人的には嬉しい限り。
編集者さんに伺ったところ、
このかるたには『まんが日本昔ばなし』の
市原さんの声のイメージが似合うと考えて、
このたびお願いしたそうです。
読み札の台本に目を通された市原さんは収録前、
わからない部分について
いろいろと熱心にご質問なさったそうです。
う~ん、雑用係としてぜひともついていきたかった(笑)。
CDからはあの懐かしい独特の語り口調! 
たいへん貴重な逸品となっております。
市原さんの声はとても心地よいので
かるたで遊ぶ以外に
入眠用BGV(バックグラウンドボイス)としてもおオススメです(?!)。
おすすめポイントその3:
【解説冊子『露地』+DVD】
私は、このかるたができあがるまでのプロセスに
一番の魅力があるのではないかと感じています。
ハーモニーのメンバーのお一人に
「このかるたのおすすめポイントはどこですか」
とお尋ねすると、
「自分の考えていることと絵が
 ばっちり同じところがいい」
とボソッとおっしゃいました。
これを聞いた時、
私の喉の奥にぐっと泣きそうな感情がこみあがりました。
それはかつての自分の体験を思い出したからです。
「どうせ誰にもわかってもらえない」
と思っていた感覚を初めて他者に共有された時、
私は「まだ生きていてもいいのかもしれない」と
未来をじんわりと感じました。
もしかしたらあの他者に救われる感覚が、
このかるたにはいっぱい詰まっているのかもしれません。
「ないこと」にされてきた私たちの感覚や体験が、
仲間と共に語り合ううちに「確かにある」ことになり、
しかも仲間の手によってイラストで表現されて「かたち」になる。
さらにそれで「遊ぶ」ことで
また経験の共有が広まっていく…
そこにこそ、このかるたの醍醐味があるのだと思います。
その制作過程の一端が描かれているのが
解説冊子『露地』とDVDなので、
こちらもぜひぜひじっくりとご覧いただければと思います。
そんな『幻聴妄想かるた』は
医学書院より定価2,415円で絶賛発売中です!
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幻聴妄想かるた
解説冊子+CD『市原悦子の読み札音声』
+DVD『幻聴妄想かるたが生まれた場所』付