【お知らせ】2013/10/6 公開シンポジウム「慢性疼痛ケアと薬物依存ケアに関する世界的動向」
~公開シンポジウム~
「慢性疼痛ケアと薬物依存ケアに関する世界的動向」
共催:日本ダルク・東大先端研バリアフリー分野福島研究室
【趣旨】
2010年1月に薬事法が改正され、フェンタニル貼付剤の適応に
「非オピオイド鎮痛剤および弱オピオイド鎮痛剤で
治療困難な中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛」
が追加された。
これは事実上、わが国で初めて、
非がん性[疼]痛へのオピオイド治療が公認されたことを意味する。
このことにより、
難治性非がん性[疼]痛への治療選択肢の拡大への期待が高まっている。
いっぽう海外に目を向けてみると、例えば米国では、
医師によって処方されたオピオイドが薬物依存症の中心になっており、
大きな社会問題になっている。
日本では従来、
麻薬及び向精神薬取締法と医療保険システムの2つの規制によって、
オピオイドの乱用が防止されていたが、
このたびの薬事法の改正(医療保険システムによる規制の緩和)によって、
今後米国同様の問題がわが国でも浮上することが懸念されている。
そのような背景のもと、
「オピオイドを用いた患者のQOL改善」と
「オピオイドの乱用・依存の防止」の二つの目的を達成するため、
日本ペインクリニック学会ではガイドライン作成のための
ワーキンググループを組織し、国外のガイドラインを参照しつつ、
わが国独自の事情も勘案して、2012年に
「非がん性慢性[疼]痛に対するオピオイド鎮痛薬処方ガイドライン」
を発表した。
このガイドラインでは、オピオイドの処方が許容される条件として
「物質あるいはアルコール依存の既往がない」
「心因性[疼]痛および精神心理的な問題・疾患が否定されている」
などの比較的厳しい設定がなされ、
さらにオピオイド治療の開始に当たっては、
「オピオイド治療中は医師が設定した定期的な診察を受ける」
「複数の医療施設でオピオイド治療を受けない」
「オピオイド鎮痛薬を他人に絶対譲渡しない」
「治療の中止、薬剤の変更などで不必要になったオピオイド鎮痛薬は
速やかに処方医に返却する」といった事項について説明し、
同意書を作成することが推奨されている。
本シンポジウムでは、
依存症ケア・慢性[疼]痛ケアの第一線で活躍している
二名のシンポジストを海外からお招きし、
慢性疼痛ケアと薬物依存ケアに関する世界的動向を紹介していただくとともに、
今後日本でどのようにこれら二つのケアを両立させていくかについて、
当事者と専門家を交えて議論をすることにしたい。
―記―
【日時】 2013年10月6日(日)13:30-18:00
【場所】 東京大学先端科学技術研究センター4号館大講堂
〒153-8904 東京都目黒区駒場4丁目6番1号
地図⇒http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/maps/index.html
【定員】 50名
【申込】 WEBの申込フォームよりお申し込みください
WEB申込フォーム⇒http://kokucheese.com/event/index/114887/
【参加費】 無料
【シンポジスト】
コーディネーター:上岡陽江(ダルク女性ハウス代表)
スーパーバイザー:近藤恒夫(日本ダルク代表)
演者:Garth Popple 氏
(WHOS 薬物アルコール依存症在宅治療プログラム部門・事務局長)
南 修 氏
(Centre for Addiction and Mental Health・医療ソーシャル・ワーカー)
※終了後、引き続き会場にて懇談会を予定(有料)
※記録用ビデオ撮影あり(シンポジストを記録するものです)